もはやCDでもない高音質ディスク“プラチナSHM”は広まるか?
もはやCDでもない高音質ディスク“プラチナSHM”は広まるか?
音楽はデータ、クラウドでという人も激しく増えているが、同時に、やっぱり良い音でパッケージとともに楽しみたい人が減ることはない。
世界64カ国・1400以上のレコード会社やレコード業界団体などを会員に持つ国際組織、FPI(国際レコード産業連盟)が2013年4月8日に発行した「Recording Industry in Numbers 2013(RIN)」によれば、世界49カ国の音楽市場を合計した2012年の売り上げは、前年比0.2%増の16480.6百万USドル(約1.6兆円)で1999年以来13年ぶりのプラスだった。このうち国別の売り上げ順位では、日本は米国に次ぎ世界2位を記録。音楽ソフト(オーディオ、音楽ビデオ含)および有料音楽配信の売り上げ合計(音楽の二次利用に関する権利収入を除く)では、4282.2百万USドル(約3529億円/2012年の平均レート)で1位となっている。日本レコード協会によれば、このうち日本の売り上げのシェアはパッケージが80%となっており、1位である米国のパッケージ売り上げが34%しかないことを考えると、今もパッケージを楽しむ文化があることが分かる。 そんななか、音楽&オーディオ・ファンの琴線を刺激するアイテムが開発された。それがユニバーサル ミュージックとビクタークリエイティブメディアが共同開発し、2013年9月25日にユニバーサル ミュージックからその第1弾シリーズが発売される「プラチナSHM」だ。
特に試聴で強烈だったのは、同じくスティーヴィー・ワンダーのアルバム「トーキング・ブック」に収録されている「サンシャイン」を、ノーマルCD、SHM-CD、そしてプラチナSHMと聞き比べたときだ。ノーマルからSHM-CDに変わっただけで、細かな息遣いや音が明確になるなどその再生音が描き出す世界の違いは大きかったが、それが明らかに一段高いレベルへと進み、エコー音もナチュラルなニュアンスが広がるなど、よりスタジオでの原音に近いものが感じられた。
3800円。高いか、安いか
プラチナSHMは3800円という値段設定で、第1回として発売されるのは、ストーンズやザ・フー、デレク&ザ・ドミノスやスティーリー・ダン、スティーヴィー・ワンダーといった、1960年代、1970年代のオールドロックのアーティストたちの作品だ。このラインアップからしても、当然、ベテランの音楽ファン、そしてオーディオ愛好家へ強くアピールするものになるだろう。それだけに、パッケージも、日本が誇る紙ジャケとディスクを別々に収める紙ケースで提供されるなど、愛蔵性も高いものとなっている。先述のとおり、日本のパッケージの売り上げは、世界でも群を抜いているが、これに貢献しているのが紙ジャケットCDの存在であり、パッケージ文化なくして日本の音楽市場はあり得ないとさえいえるかもしれない。
SHM-CDは、すでに米国などからも引き合いが高まっている。プラチナSHMという新しい高音質の世界も、注目を集めることは間違いない。
(文/大鷹俊一)
2013年9月25日にユニバーサル ミュージックが発売する、プラチナSHM仕様のロック/ソウル名盤。写真のザ・ローリング・ストーンズ「メイン・ストリートのならず者」(左)「刺青の男」(中央)、スティーリー・ダン「彩(Aja)」(右)のほか、ザ・フー「フーズ・ネクスト」、デレク・アンド・ザ・ドミノス「いとしのレイラ」、オールマン・ブラザーズ・バンド「フィルモア・イースト・ライヴ」、クイーン「オペラ座の夜」、ダイアー・ストレイツ「悲しきサルタン」、スティーヴィー・ワンダー「トーキング・ブック」、マーヴィン・ゲイ「ホワッツ・ゴーイン・オン」の計10タイトルが発売される
で、ぶっちゃけ?
売れてるの? (´ε`;)爆♪
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